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かなり懐かしい夢を見た
「わたしね…おとうさんのお仕事で遠くにひっこすの…」
「うん…」
夕方の公園、二人でブランコに座っているときにポツリと呟く俺の幼なじみ花咲桜、それを小さく返事しながら聞く俺。
「それでね…ヒナくんにも…もう会えなくなっちゃうんだって…」
「モモ…ちゃん…」
少し震えた声で呟く彼女、顔を見ればまるで怖い夢を見たかのように強く目を瞑り柔らかそうな頬は少し朱に染まり小さな涙が流れていた。
「だからね…」
「待って…!」
「えっ…?」
小さな声で、しかし力一杯桜の言葉を遮る。
「モモちゃんの言いたいこと…ぼくに言わせて…」
その時の俺にはなんとなく彼女が言いたいことが分かった気がした。
「……うん…」
顔を赤くしながら俯く桜。
俺はブランコから降り桜の前に立つ。
「ぼくたちがおとなになって…モモちゃんがこの町に帰ってきたら…ぼくとけっこんして…ぼくのおよめさんになってください!!」
俺は母親の見ているドラマの真似をして桜にプロポーズした。
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