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「はい!復唱。『ぜったいひとはころしません!』」
「「ぜったいひとはころしません!」」
「はい、じゃあ人を殺したらどうなりますか、はいタマキ!」
マサハルはノリノリだ。
「はい!警察につかまります!しかもしょーねんいんにいれられます!」
模範解答が返ってくる。
「そう!タマキはそう!でもサツキは!?」
ぬっ、こっちに回ってきた!?
「お、オレも警察につかまります!しょーねんいんにいれられます!」
「はい正解だけど完璧ではありません。キミの場合普通に罪を負う事になりますね。やばいね。死刑だね。」
なっ………!!
「し、死刑って一番重い罪だろ?なんで人殺したくらいでそんな……!!」
パコーン
「でっ!?」
スリッパで一発。
「ダメーっ!!なにその認識!ありえない!死ねばいいのに!人の命を軽くみるなーっ!!」
パコンパコーン
更に二発。
参った。マサハルのこの怒りようだと今のは相当な失言だったらしい。
「はぁーっ。予想を遥かに越える非常識だね。やだよボクは養子が捕まる事になるなんて。いいかい?学校入って嫌な先生とか先輩とかいても我慢すること!殴る蹴るも認めません!キミたちは普通よりめちゃめちゃ強いんだから下手したら死にかねないから!」
世の中ってのは予想以上に厳しいらしい。
あんなドラマみたいな嫌な先輩がいて赤い紙がロッカーに貼られると学校中からリンチを受けてしまうというのかっ………!!
「サツキ。テレビの内容を鵜呑みにするのはよくねーぞぉ。」
ポン タマキに肩を叩かれた。
「べ、別になんもいってねーだろ。」
いや、つーかコイツエスパー?
「よーし。今日はここまでにしようか。明日はもっと世の中を知るために課外授業に出ます。総員、武器は絶対に持たないように!」
「「え、持たないの?」」
パコンパコーン
「やっぱり明日も家でお勉強!!!」
両手のスリッパで二人とも頭をはたかれた。
………何がダメだったんだろうか。
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