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その日の11時過ぎ。
ようやくメシも食って風呂も入って1人になれた。
「いやー、ワークってあとどんぐらいあんだろ?」
今日やってたのが中学生用の総復習数学ワークってやつ。
「………半分もいってねーじゃん。」
今日を除けばあと3日……ムリだ。ぜってームリだ。
しばし迷う。
「………………ちょっとでもやっとくか。」
机に向かった。………意外に自分はキンベンって奴なんだろうか。
ガチャッ
「おはよー。サツキ、起きて…………ってうわっ!?」
マサハルが部屋に入ってきた。アレなんでびっくりしてんだろう……ってアレ?
「え?朝?」
そういえばなんかさっきから急に明るくなったなーと思ったら……
時刻はもう6時半。
「うげ、七時間くらいやってたのかー。全然気付かなかった。」
マサハルはぽかーんとしている。
「サツキ、さ。人間の集中って普通50分くらいしか続かないって聞いたことない?」
マサハルの呆れたような問い。
「そーなの?でも二時間とか三時間とか集中してないと死ぬ。って場合もあるんだしそんぐらい訓練しとかねーとまずくない?」
「いや、ないから。普通の人はそんなギリギリの世界で生きてないから。」
「いやぁーっ。でもワークはだいたい終わったぞー。はぁ…なんか急に眠くなってきたわ……。わり。三時間くらい寝かして。」
ばふっ とベッドに横になる。そのまま一気に眠りに落ちていけた。
「本当に、どんな生き方をしたきたらこんなに長く集中していられるのかな。」
改めて思う。彼は人間離れしているんだと。
「……………さて。タマキもいつまでもダラダラさせているわけにもいかないし。桃城に頼まれてるんだ。まっとうな生活させないとね。」
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