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徹夜しての努力が効いたのか。休みを1日残してオレは英語と数学のワークを終えた。      特に英語は大変だった。マサハルがわざわざ持ってきたCDプレイヤーが睡眠中もオレを攻め続けるのだ。    しかも数学に比べて英語はまだ完璧とは言い難いようなのでこれからも寝るときはこれに耐えねばいけないらしい。      タマキも途中からマサハルが用意したワークと格闘しはじめたからざまぁねぇな。とおもいましたまる      「明日はようやくお出掛けかぁ……武器は持ってかない、だったな。」      机の引き出しに眠る風斬りを取り出してみた。      ヒュッ シュッ スッ      しばらく振るっていなかったが長年培った技術はそう簡単にさびれたりはしない。      「でも、これからは使う事もないんだよな……。」     薄い、美しい刃をすーっ、と指でなぞる。      ぞくっ      ――――ふと。血の匂いを思い出した。      9歳の時の。殺人者としての童貞を棄てた。あの日の事を。      それで、いいのか。      普通の、刺激の無い生活で、いいのか。        「…………何をバカな。いいに決まってんだろ。」     風斬りを机に戻した。     「きっと楽しいさ。だって勉強ばっかさせられた今日までだって――」      ―――少しは楽しいと、感じていたんだから。        「寝よ寝よ。明日ははえーって言ってたしな。」        パチン      電気を消して眠りについた。   
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