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「タマキ!いいか。今日は絶対に走っちゃダメなんだぞ。それと絶対にちゃんと道を歩くこと。」
もう一度、再確認。一般人は木から木に飛び移ったりしないのだ。と教え込むと同時に自分にも言い聞かせる。
「わかってるよぉ。だいたいこの家に来るときもちゃんとしてただろー?」
む、それは確かに。
「はい、そういう非常識な会話も外では大きな声ではしないようにねー。今日は課外授業も兼ねてるんだからねー。」
マサハルの声。今日はたくさん怒られる気がする。
「で、今日はどこにいくの。」
わくわくしながら質問。
「とりあえず若者が行きそうなゲーセン。あとボウリング。そしてファミレス!もし学校の友達と行くことになって粗相があったら困るでしょう?」
「なぁー。サツキ。ゲーセンってなんだ?」
「いや、オレもわかんねぇんだけど……マサハル?」
二人してマサハルを凝視。
「……まぁ、行けばわかるから。とりあえず行こう。この分じゃファミレスもしらなそうだし。」
マサハルの運転する車に乗って出発。よかった。車ならじれったくなって駆け出す事もあるまい。
「とりあえず、三ゲームで。」
受付で1000円払う。
「靴のサイズかぁ。何センチだろう。」
「なぁ、サツキー。300円どこに入れればいい?」
「あー、自動販売機とおなじような穴がないか?無かったらお札入れるとこあるだろ。そこに千円いれろ。」
とりあえずボウリングに来てみた。知識だけはある。とりあえず十本立ったピンを倒すスポーツのはず。
なんとか靴を受け取ってレーンへ。
「ボールも選んだね?じゃあボクから投げるからよく見てて。」
マサハルが第一投を放る。
ガチャーン
「おぉ~全部倒れた。ストライクじゃん。」
拍手で迎える。
「わかった?とにかく下から投げること。絶対ね!」
「いやいやぁ。さすがにこれを上からじゃあ届かねぇぞぉ。モモならどうかわかんねぇけど。」
タマキの言うとおりだ。いくらなんだってそこまで非常識じゃねーよ。
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