プロローグ

2/3
104人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
ホームには、新幹線が今か今かと生徒たちを待っていた。 生徒たちは西崎とその他数名の先生に言われた通り、順番に席についていく。 全員が席についた頃、出発の合図がかかった。西崎が再び手を叩き、声を出した。 「じゃあ皆さん!いよいよ出発でーす♪」 「おぉー♪」 「砂や虫が入ってくると嫌なので、窓はしっかり閉めといて下さいね~。」 「はーーーい!!」 数分後、壱川 央滋<男子5番>が何か異臭がすることに気付いた。 央滋は隣にいる井上 圭一<男子7番>の肩を揺すろうとした。 「あれ…?」 手が重く、思うように動かない。手だけじゃなく、身体全体が…重い。 声も出なくなり、眠気が襲う。 だんだん開かなくなってくる目を無理矢理開き、周りを見ると、ほぼ全員が眠っていた。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!