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ホームには、新幹線が今か今かと生徒たちを待っていた。
生徒たちは西崎とその他数名の先生に言われた通り、順番に席についていく。
全員が席についた頃、出発の合図がかかった。西崎が再び手を叩き、声を出した。
「じゃあ皆さん!いよいよ出発でーす♪」
「おぉー♪」
「砂や虫が入ってくると嫌なので、窓はしっかり閉めといて下さいね~。」
「はーーーい!!」
数分後、壱川 央滋<男子5番>が何か異臭がすることに気付いた。
央滋は隣にいる井上 圭一<男子7番>の肩を揺すろうとした。
「あれ…?」
手が重く、思うように動かない。手だけじゃなく、身体全体が…重い。
声も出なくなり、眠気が襲う。
だんだん開かなくなってくる目を無理矢理開き、周りを見ると、ほぼ全員が眠っていた。
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