56996人が本棚に入れています
本棚に追加
/374ページ
要が私を抱いてる時の顔が、名前を呼ぶ声が、仕草が…
全てが私を好きって言ってくれているように聞こえて
私は何度も要の名前を呼んだ。
さ「ねぇ要」
要「ん?」
さ「あの言葉…嬉しかった」
要は少し首を傾げて私の顔を見る。
さ「昨日お墓の前で、私にはもう家族がいないって言った時に、要が違うって言ってくれたでしょ?」
《っ…お母さん…。会いたいよ…私にとって家族は…お母さんだけだったのに…。私には…もう家族がいないよ》
《違うだろ》
さ「嬉しかった。ありがとう要」
私が笑顔でお礼を言うと、要は私の額に軽くデコピンした。
さ「なんでっ?」
要「俺はお前の家族になる予定なんだから。あんな事二度と言うなよ」
さ「要…それって…」
要はフッと笑って、それ以上は言わなかった。
ね、要。
私…期待しちゃうよ?
要「だから俺の側にいろよ」
さ「うんっ」
嬉しくて、私は要の肩にもたれ掛かった。
最初のコメントを投稿しよう!