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そうして
いつかは仲直りをする筈、だった。
でも今日は違う。
高杉は何もしてない。
俺も何もしてない。
ただ、不安になった。
『ッは…ひじ、方…』
苦しそうに俺を呼ぶ高杉。
止まらない、止められない。
『痛、い…ごめっ…』
何を謝ってるんだ?
何かしたのか?
そう思うと手は止まらなかった
ずっとずっと、高杉の頬を、頭を、顔を、殴って
高杉が転がれば
足は腹を、頭を、背中を、腕を踏んで蹴り飛ばして
何がなんだか、わからなかった。
『ひじ…か、た…』
目をボンヤリと薄く開けて
愛おしそうに高杉は俺を呼ぶ。
その声に、俺の足は止まった。
「高杉…高杉…悪ぃ、なんで、また…」
今日もまた慌てて抱きしめる。
いつもと違うのは
高杉が少し、笑顔なこと。
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