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「よう、こそ、みなさん。私、の、名前、は、エックス、です。みなさん、には、殺し、合い、を、してもらい、ます」
舞台は密林。そこに集められた数百という人間が、一様にこの言葉を聞いた。
脳に直接響くような声。早口で、途切れ途切れな非常に聞き取りづらい声。
しかし何故か意味は理解できる。そんな音だった。
1
彼、香川亮(かがわりょう)もこの音声を聞き取っていた。
しかし当然ながらその内容が理解の範疇を大きく越えている。だからだろう。彼は数秒、自分の状況を理解しようともせずに呆けていた。
しかし、呆けていた香川に二度目の音が届いた。
「ゲーム、の、説明、を、します」
またもや同じ、早口に途切れ途切れな口調で喋り出す。
香川はその音で意識を取り戻す。そこからは冷静だった。
見知らぬ土地。周りは木々に囲まれていて情報が足りない。
情報が必要だと考えた香川はその音を聞くことに集中した。
「第一回目のゲーム。みなさんで殺し、合って、ください。ルー、ル、は、簡、単。人間は、一人五点。百点ゲットで蘇生できます。質、問が、あれば、どうぞ」
そうして音は途絶えた。
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