彼女

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気がつくと、病院のベッドの上にいた。 肩には包帯が巻かれていて、動かそうとしたけれど痛すぎて無理だった。 仕方なく、左腕に力を入れて起き上がる。 まず見たのは、僕の様子を心配そうに窺う母親。 その横に香織ちゃんがいた。 うつむいて、涙を流している。 何だかこっちが悪い気がして、目をそらした。 「ちょっと!心配したのよ。あんたが倒れたって言うから、慌てて」 少し怒り気味に言われ、反論する言葉が見つからなかったので、謝ってみた。 「…ごめんなさい」 盛大に溜め息をつかれ、肩が重くなった気がした。 「全く…転んだ子の持ってたカッターが肩に刺さるなんて、本当に情けないわね」 僕の行動が停止する。 脳内がクエスチョンマークでいっぱいになった。
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