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「ぁ…せん、ぱ…」
香織ちゃんは先程とは違い、夢でも覚めたような顔をしていた。
その表情は真っ青で、自分が何をしていたか、やっと分かったようだった。
庇った子に声をかけようとしたが、叫びながら廊下に走って逃げてしまった。
それを最後まで見届けてから、香織ちゃんに視線を戻した。
…彼女は、僕と違い憎悪の目でその子を睨んでいた。
背筋が凍り、鳥肌が立った。
いつもの香織ちゃんじゃない。
今、目の前にいるのは本当に香織ちゃんなのか…?
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