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「かあさまぁ!とおさまぁ!
イヤだよぉ!!死なないでぇ!」
泣き叫びながら、服に血がつきながらも両親にしがみつくフィアを見て、ルゼは思った。
もう、フィアには自分しかいない。と。
そしてそれは自分も同じで、血を分けた肉親であり、頼れる事が出来るのもフィアしかいない。
当主無きこの家は、どうなるのだろうか。
自分達は、メイド達と離れるのか。
家は……没落してしまうのだろうか。
考えれば考える程、ルゼの考は悪い方へといってしまっていた。
「ぅっ……いや、だよぅ………いい子にする…悪戯もしないし勉強もちゃんとする……だから…目を覚ましてぇ!!!」
――忙しくとも、暇がある日は二人を抱きしめ「大好き」と言ってくれた母。
――滅多に会えなくとも会えた日には国の話や面白い話を聞かせてくれた父。
もういないという実感が現れ膝をつき顔を被う様に手をやると今まで以上に泣き叫んだ。
ルゼとフィアの姿を見ると使用人達は泣くのを止めた。
本当に辛いのが誰かというのが分かったから。
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