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「ぜ…ル……ゼ…起……て…」 「ルゼ!起きて!」 大きな部屋に声が響いた。 「んっ……? あ、フィア。 また僕寝てた??」 本人も知らなかったのか同じ顔をする双子の弟――フィアに尋ねた。 「うん。というか魘(ウナ)されてたけど…大丈夫?」 ルゼを心配そうに見るフィア。 「うん、平気だよ! さて、今日から中蘭だし頑張ろっか!」 ルゼはニッコリと笑い返すと制服を着て、ネックレスとロケットを鞄に入れた。 中蘭というのは十六~十八が通う所である。 ルゼ達の通う学園は 小採(ショウト)、中蘭(チュウラン)、高舞(コウマイ)で別れている学園である。 「三年前の…夢見ててさ…。」 ルゼはあの時の映像が出てきて俯く。 しかし兄としてのプライドか 直ぐに切り替えをした。 「よし!中蘭、頑張るぞー!!」 「…オー!」 フィアは反応に少し困ったがルゼが明るくしようとしてるのが伝わり拳を高くあげた。
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