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「あーあ……ヒィズ、戻って来ないかなぁ…」 ある程度逃げると綺麗な若草色の髪を弄りながらルゼが言う。 「ヒィズかぁ……僕らの好きなものとか特徴とか良く分かってくれてたもんね…」 懐かしそうに言ったフィア。 見た目も性格もそっくりな二人は親でも時々間違える。 しかし、ヒィズだけは一度も間違えなかったのだ。 優秀な専属執事でもあり、良き友であったヒィズ。 そんなヒィズがいなくなってしまい、二人は大きなショックを受けた。 しかし、別れ際にルゼとフィアは四葉のネックレスを貰った。 お揃いで、同じ四葉をモデルとしたブレスレットはいつもヒィズが付けていた物だった。 「明日から学校だよねー……」 「うん…母様と父様には会えないんだよね…」 幼い頃の口調で話しているとメイドがやって来た。 「ルゼ様、フィア様 女王様と王様に会いに行かれてはいかがですか?」 柔らかな笑みを見せるメイド。 「「うん!じゃぁ、行ってくる!!」」 綺麗にハモると上の階へと向かった。 「あら、貴方。何をしているの?」 二人が去ると直ぐにメイド長がやって来た。 「あ、メイド長。今ルゼ様とフィア様が王様に会いに行きました」 メイドの言葉に目を見開いた。 「なんて事を……!」
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