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僕を見つめる真っ直ぐな眼差しに、一瞬僕は息を呑んだ。
優しい表情、そう思うのに、彼女からは温かさを感じられない。
君は……誰だい?
「クロ・クローラ。
クロ、もしくはクローラと呼んで下さい」
そう。
なら、クロって呼ぼうかな。呼び捨てでいいかい?
──って、僕は夢相手に、なんで真面目に話してるのさ。
「呼び捨てでいいですよ。
それと、ここはアヤさんの夢の中ですけど、私は違います。ちゃんとした人間です」
…………。
全然分からない。
君が本当のことを言っているのか分からない。人間なら夢なんかに入れないんじゃ?
「あ、間違いましたね。
『ちゃんとした人間として』ここへ来た者です。
アヤさん。
貴方に協力をしてほしくて、今日は貴方の夢にやって来ました」
そう言って再び電灯の糸でボクシングを始める黒メイド。
協力?
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