第一章:現在とこれからと

3/11
前へ
/216ページ
次へ
    僕を見つめる真っ直ぐな眼差しに、一瞬僕は息を呑んだ。   優しい表情、そう思うのに、彼女からは温かさを感じられない。     君は……誰だい?     「クロ・クローラ。 クロ、もしくはクローラと呼んで下さい」     そう。 なら、クロって呼ぼうかな。呼び捨てでいいかい?     ──って、僕は夢相手に、なんで真面目に話してるのさ。     「呼び捨てでいいですよ。   それと、ここはアヤさんの夢の中ですけど、私は違います。ちゃんとした人間です」     …………。   全然分からない。 君が本当のことを言っているのか分からない。人間なら夢なんかに入れないんじゃ?     「あ、間違いましたね。 『ちゃんとした人間として』ここへ来た者です。   アヤさん。 貴方に協力をしてほしくて、今日は貴方の夢にやって来ました」     そう言って再び電灯の糸でボクシングを始める黒メイド。   協力?    
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

473人が本棚に入れています
本棚に追加