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(一体何を考えているんだ? イリアスのヤツは。魔術師はみんな悪に決まってんだろうが)
ロダンは親友のイリアスと別れた後、魔術師たちを倒しに行くための準備をしに、いったん家に戻る。
その間、ずっとイリアスの言った言葉がぐるぐると頭を廻っていた。
『あの人たちはいつもそうだ。証拠もないのに異端というだけで罪を擦り付けて……いくら僕たちに使えない力が使えるからと言って、こんなことをして彼らになんのメリットがあると言うんだ!』
(……証拠? そんなもんなくったって奴らは何をするのかも分からねぇ、得体の知らねぇ生き物なんだよ。退治をして何が悪ィんだ)
ロダンは先ほどイリアスが言ったことに心の中で反論する。
しかし、ふと思った。
『君も君だよ。何でこんな何も保障のないことを引き受けるんだ』
彼は自分に対して心配もしていたのだと。
ロダンは片手でぐしゃぐしゃと自分の金茶の髪を苛立ったように掻き回した。
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