出会い

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「何で……見付からないんだっ」 ダンッとロダンは近くにあった木を拳で打ち付けた。 木にとまっていた鳥たちは、その衝撃に驚き一斉に飛び立つ。 森をさ迷い始めてからもう一月は経っていた。 その間はほとんど休まずに歩いて魔術師の住む家を探していたのだが、それらしき物はひとつも見付けることが出来なかった。 (本当にあるのか……? いっそ森ごと燃やしちまった方が早ぇような……いや、駄目だろ) おまけに迷子にもなってしまい、食糧もほとんど尽きて空腹のせいか頭が働かない。 苛立ちと焦りとで冷静さを欠いた頭では、ろくでもないことしか考えられなかった。 「あ~~~もう……くそっ」 どうやら体が限界に達したみたいだった。 ロダンは立っていられないほどの眩暈を感じ、膝からくずおれた。
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