第一章【世界の変化】

9/20
前へ
/25ページ
次へ
[世界の異変]  開こうとしているカプセルの靄が少しずつ消えていき、人のような形が見えてくる。 (人型? 今まで見たことないけど)  そして、カプセルがゆっくりと横に開いていく。 (これが…古代兵器なのか?) 〝妙ダナ〟  カプセルの中にいたのは、金色の長髪を持つ少女だ。 (どうしたんだ? シャイ) 〝コイツカラハ、神気ヲ感ジル〟 「神力だと!」  『神力』それは名の通り神の持つ力で、栄光獣を宿した真空も持ってはいるが、普通の人間が持つことは無い力。それを持つ少女は、例え人だとしても普通の人間ではない事を示している。 〝…真ちゃん、今はとりあえず〟 (え、…ああ)  すると真空は、気絶したように眠っている少女に歩み寄り、纏っていたマントで全裸の少女を包んだ。 「言うとおりにしたぞ」「これでいいだろ」  男達はそう言って逃げようとする。 闘剣・初開『無鎖』(むぐさり) 「悪いが、捕まえないとは言ってない」  闘剣とは剣闘師が持つ特殊な武器で、普段は柄だけだが気を込める事で刃を生み、刀になる。さらに熟練された者が使えば、開放といって闘剣は姿を変える。そしてその姿は人それぞれ違い、誰かと同じ姿の闘剣変わることは無い。 そして真空の闘剣は鎖で繋がれた双剣となり、その鎖が伸びて動き、男達を縛った。 「は、放せ!」「約束が―!」  すると鎖が強く絞まり、男達の首を強く圧迫して気絶させる。 〝…真ちゃん、悪〟 「何で? 傷つけてないだろ」  確かに捕まえないとは言ってないので、妥当のような気もする。 「それに、どうせ外に居る奴と待ち伏せされるだけだ」 〝…だから、無鎖使ったんだ〟  真空は二つの闘剣を持っている。本来どの闘剣を使っても、使い手が同じなら力を開放しても同じ姿の刀身となる。しかし、真空の持つもう一つの闘剣は、かつての師匠の形見であり、その闘剣で開放した真空の剣は別な闘剣と化す。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加