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[世界の異変]
開こうとしているカプセルの靄が少しずつ消えていき、人のような形が見えてくる。
(人型? 今まで見たことないけど)
そして、カプセルがゆっくりと横に開いていく。
(これが…古代兵器なのか?)
〝妙ダナ〟
カプセルの中にいたのは、金色の長髪を持つ少女だ。
(どうしたんだ? シャイ)
〝コイツカラハ、神気ヲ感ジル〟
「神力だと!」
『神力』それは名の通り神の持つ力で、栄光獣を宿した真空も持ってはいるが、普通の人間が持つことは無い力。それを持つ少女は、例え人だとしても普通の人間ではない事を示している。
〝…真ちゃん、今はとりあえず〟
(え、…ああ)
すると真空は、気絶したように眠っている少女に歩み寄り、纏っていたマントで全裸の少女を包んだ。
「言うとおりにしたぞ」「これでいいだろ」
男達はそう言って逃げようとする。
闘剣・初開『無鎖』(むぐさり)
「悪いが、捕まえないとは言ってない」
闘剣とは剣闘師が持つ特殊な武器で、普段は柄だけだが気を込める事で刃を生み、刀になる。さらに熟練された者が使えば、開放といって闘剣は姿を変える。そしてその姿は人それぞれ違い、誰かと同じ姿の闘剣変わることは無い。
そして真空の闘剣は鎖で繋がれた双剣となり、その鎖が伸びて動き、男達を縛った。
「は、放せ!」「約束が―!」
すると鎖が強く絞まり、男達の首を強く圧迫して気絶させる。
〝…真ちゃん、悪〟
「何で? 傷つけてないだろ」
確かに捕まえないとは言ってないので、妥当のような気もする。
「それに、どうせ外に居る奴と待ち伏せされるだけだ」
〝…だから、無鎖使ったんだ〟
真空は二つの闘剣を持っている。本来どの闘剣を使っても、使い手が同じなら力を開放しても同じ姿の刀身となる。しかし、真空の持つもう一つの闘剣は、かつての師匠の形見であり、その闘剣で開放した真空の剣は別な闘剣と化す。
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