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「さて、とりあえず」
真空はそう言うと少女を抱き上げる。
「ここにはこの子しか居ないみたいだな」
そう言うと真空は出口に向かって歩き出す。
「行くぞ、無鎖」
その声を聞き、無鎖は両端にある刀を地面に刺す。そして鎖で縛っている男達を宙に浮かせると、刀を足のようにして歩いてついてくる。
〝…相変わらず、刀らしくないね〟
〝意思ヲ持ツ闘剣。ソコラノ奴ニハ使エマイ〟
刀の歩く姿はとても不気味だ。
時を同じく、雪山を歩く白い影がある。
「あぁ、面倒くせぇ!」
声の主はこの世界に住む狐で、雪狐と言う。彼はその精霊であり、獣人でもある。
「てかぁ、なんか吹雪いてきたしよぉ」
見た目は子狐のため、その姿からは創造できない。
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