第一章【世界の変化】

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「さて、とりあえず」  真空はそう言うと少女を抱き上げる。 「ここにはこの子しか居ないみたいだな」  そう言うと真空は出口に向かって歩き出す。 「行くぞ、無鎖」  その声を聞き、無鎖は両端にある刀を地面に刺す。そして鎖で縛っている男達を宙に浮かせると、刀を足のようにして歩いてついてくる。 〝…相変わらず、刀らしくないね〟 〝意思ヲ持ツ闘剣。ソコラノ奴ニハ使エマイ〟  刀の歩く姿はとても不気味だ。  時を同じく、雪山を歩く白い影がある。 「あぁ、面倒くせぇ!」  声の主はこの世界に住む狐で、雪狐と言う。彼はその精霊であり、獣人でもある。 「てかぁ、なんか吹雪いてきたしよぉ」  見た目は子狐のため、その姿からは創造できない。
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