第一章【世界の変化】

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 そう、この洞窟は千里の光眼にも映らなかったのだ。千里の光眼でこの森を見つけ、そして偶々、この洞窟を発見したのだ。今までの遺跡でも、多少見えにくかったりして、神眼ですら発見が困難だった。大昔の人々は、この力で、森羅万象からも、神の手からも隠れられたのだろう。しかし、この洞窟は、完全に映らないと言う、今までにない遺跡だった。 「とりあえず、千里の光眼でもこの中身が何なのか見えない」 〝…そうなると、お手上げだね〟 「まあ、とりあえず調べるか」  そう言って真空は、禍々しい気を放っているカプセルを避け、大きな機械を見る。真ん中に大きな画面があり、その下にいくつものスイッチやレバーが並んでいる。 「これをどう見る?」 〝…あの、カプセルをコントロールする…装置?〟 〝知ルカ。…我ハ寝ル〟  そう言うと栄光獣の声は消えた。 「古代の遺産は大変だな。…普通の機械なら千里の光眼で、扱い方なんてすぐ分かるのに」 〝…だから、昔の人は神に恐れられたんでしょ?〟 「まあな」  栄光獣のことは気にせず、葵と真空は考え込む。 「下手にいじって、何かなんのも嫌だしな」 〝…でも、それじゃいつまでも変わらないよ〟  確かに、葵の言うことはもっともだった。しばらく悩んだあと、真空はカプセルに近づく。 (やっぱり、中は見えないか) 真空はカプセルを覗き込んだが、黒い靄がかかったように中が見えない。…しかし、確かに何かがそこには入っている。
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