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「大空、真…空!」「な…なんでお前が」
全国で指名手配されているからか、ギルバート博士から聞いたのか、どうやらこの男達は真空を知っているようだ。
「…お前ら、ギルバートの手下か?」
〝…、真ちゃん?〟
真空の雰囲気がいつもと違う。
〝小僧、気ハ確カカ?〟
(! …すまん)
栄光獣の声を聞き、真空は我に返る。
(コノ小僧ガ取リ乱ストハ、前ニ何ガアッタンダカ)
栄光獣は真空の内に封印されているだけなので、葵や真空のように心の声は聞かれない。
(どうすりゃいいんだよ)(こんな化け物がいるなんて、聞いてねえぞ)
真空は三年前に、ギルバート博士の機械軍団や、剣闘師の軍勢を一度に約百人を倒している。しかもその内の三十人ほどは、選りすぐりの軍勢『特殊高等剣闘師部隊』通称・特剣である。
「筒抜けだ。言うこと聞けば傷つけたりはしない」
千里の光眼は、人の心さえも見透かす。ゆえに、二人の心の声は筒抜けである。それに気付いた二人は大人しくなった。
「嘘を言えばすぐ分かる」
「分かったよ。わかったから降ろしてくれ」
そして真空は持ち上げている男を降ろした。
「まず、お前らこれが何なのか知ってるのか?」
「いや、ギルバート様には連れて来いとしか」
(…連れて来い?)
「あとは、古代の神を蘇らせる鍵としか」
男達は、大人しく真空も質問に答える。しかし、真空は洞窟の入り口辺りを千里の光眼で睨む。
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