告白 と 嘘

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屋根の十字架は避雷針 だけどアースは老朽化していた。 教会への落雷がアースから漏電し水浸しの床に電流が走る 教会の入口に立ち尽くしていた神父にも流れ、その場に倒れた。 床に置かれたままのカゴの赤子にも。 次第に水カサは増していく 神父が失神はしない、 すぐに立ち上がり赤子に駆け寄った。 赤子を掲げ、神に祈った 「この子にもう一度 生命を御与え下さい!それだけです!他には何も望みません!」 神父の祈りが神様に通じたのか 赤子は息を吹返した。 幸運は使いきってしまったか 持ち合わせていなかったのだろう。 というのが、冗談交じりに神父から聞いた、赤ん坊の頃の話だ。
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