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シャウトすれば、誰もが熱狂するほど
つぎはぎだらけの顔とその姿はおぞましく、直視できない不運なバックボーンを醸し出す。
ライブハウスは熱気も最高潮に沸いた時、
陶酔した観客から飛んできたビール缶が眉間に直撃し、靴が飛んできて鼻に受けて仰け反る。
涙目になって、鼻血を噴いて
「誰だよ 投げた奴は!」
と叫んだら観客にウケて傍観者の誰もが我もと投げつけ出した。
ステージはもう成り立たないハズなのに嵐に立ち向かう様で、全身にゴミと笑い声を浴びながら歌い続ける。
その姿勢に、次第に観客は本気の反感を抱きステージから引きずり降ろそうと手を伸ばし掴み掛かって来た。
降り掛かる腕を隅から足蹴にしてステージを死守する。
隙を突いて昇って来た観客に殴られ、倒れた体に群がるほど蹴りが入りリンチと化した。
歓喜と言える喚声が上がる。
抗えない暴力に、遠のく意識は狂気を呼んだ。
マイクを捨てナイフを握り。
切り裂くと、歓喜は“悲鳴”に変わった。
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