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暴風雨が吹荒れ
大水害が街を襲った日、
街の住人は教会と併設する学園の校舎に避難していた。
教会も浸水してきた為、神父は務めを終え校舎に移ることにした。
連結した渡り廊下を通る時、窓から外を眺めると川と化した道にオールを漕ぐボートを目撃した。
ボートは教会の前に着くと
カゴを置きクラクションを2回鳴らして去って行ったのだ。
不思議に思い神父はドアを開け、カゴを覗いて見るとそこには手紙と可愛いらしい赤子がいた。
手紙には『幸せに育ちますよう』と書かれていた。
神父は慌てて浸水した街に飛び込んだが
追いつけぬボートを呆然と見送るしかなかった。
雷鳴は激しく轟いた。
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