65人が本棚に入れています
本棚に追加
名前も知らない彼女を捜すにあたり、唯一の手掛かりは背中のタトゥーだった。
タトゥーというより刺青の方がしっくりくる。
あれだけ派手に彫ってんだ、そこいらにいる普通の女ではないだろう。
とりあえず、オレが助けられたあの街周辺の店を手当たり次第に当たってみたが、何も収穫はなかった。
だか、あるクラブでトイレに立った時、突然後ろから誰かに押さえつけられた。
「お前、背中に刺青のある女探してるって?」
「知って!」
「動くな。」
背中に固い物が当たっている。
銃…口?
「悪い事は言わない。これ以上関わるな。お前のような奴を相手にするような人じゃない。」
「っぐ!ゴホッゴホッ…。」
オレは振り返ろうとした所を、思いっきり殴られてうずくまった。
「っくそぅ!」
奴が誰だったのか分からない。
顔も見れなかった。
だけど、やっと収穫があった。
オレが嗅ぎまわっているのが、ついに彼女に届いた。
彼女…というより、彼女を知る奴に。
銃なんて見たことも、触れた事もなかったが、
あれはたぶん銃口だった。
どうやらヤバい奴らのようだな…。
。
最初のコメントを投稿しよう!