65人が本棚に入れています
本棚に追加
「オイコラァ!いい度胸してんのぅ!」
「ぐはっ。ゴホッ。」
オレ、なんでこうなったんだっけ…?
薄れる意識の中、オレは思い出そうとしていた。
まぁ、このまま死ぬのも悪くない。
くだらない人生、こんな所で終わっても誰も悲しみやしない。
オレの名前は柊優樹。18才。
小さい時に親に捨てられ、愛というものが何なのか分からず育った。
それなりに人付き合い良く見せ、いつも誰かが周りにはいた。
けどオレは、心底、誰も信じちゃいねぇ。
上っ面だけの人間関係や愛のない人生、
荒れていたオレは、学校にも行かず遊び回っていた。
別に楽しかった訳じゃない。
学校にいるよりも、誰だか分かんねえ奴らと適当につるんでる方が楽だったから。
それだけの理由。
クスリでラリッてる奴もいた。
オレは手を出さなかったが、クスリ以外は何でもした。
喧嘩や盗み、オヤジ狩り…補導される事もしばしばで、施設の先生達も手を灼いていた。
女も知った。
その中の一人が、オレを飼うと言い出した。
どっかの社長夫人で、オレ位の子供を亡くしたとか。
オレを飼う条件は、学校へ行く事。
死んだ息子とオレを重ねて見ていたのだろう。
オレは施設を出れるならと、その条件をのむことにした。
厄介払い出来る施設の連中は、誰一人、理由も聞かず、止めることもしなかった。
そしてオレは、中2の時に施設を飛び出した。
。
最初のコメントを投稿しよう!