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裕子から別れの電話があった夜、オレは何処へ行くのでもなく歩いていた。
学校へ行くという、裕子との約束は、オレが生きる理由でもあった。
その理由がなくなった今、オレは何をすればいいんだ?
生きる目的が分からない。
何をしたらいいんだ?
何を…。
空虚なオレはあてもなく歩いた。
誰かが声をかけ、拾ってくれないかと。
誰かが遊んでくれないかと。
オレは一人だった。
母親に捨てられ、裕子にも捨てられ、オレは2度も捨てられたんだ。
愛なんてもんはホントにくだらねぇ。
何処にもありはしないんだ。
いつの間にかオレは、裕子を信じ、頼っていたのだ。
裏切られた気分だった。
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