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意識が遠のいていく中、声が聞こえてきた。
「ねぇ、お兄さん達!4対1じゃ卑怯だと思わない?」
心地の良い声。
遠退く意識を引き戻す声だ。
瞼が重く、目が開かないが、耳はしっかりと聞いていた。
「あぁ?おっ!お姉さん可愛いね。俺達と遊んで欲しいの?」
「卑怯な人は嫌い!」
臆する事のない、綺麗な声だ。
姿は見えないが、きっと美人だろう。
想像が膨らむ。
「卑怯?酷いなぁ。俺達はコイツが悪い事したから、お仕置きしてんの!」
「理由は知ったことじゃない。男なら男らしく喧嘩したら?弱いものいじめみたい。」
今のは言い過ぎだよ?
キミの身が危ない。
「んだと?あんた、犯されたいの?」
ほら、言わんこっちゃない。
「私、今とっても機嫌がわるいの。消えてくんない?」
随分と威勢のいい声。
さっきと同じ人物か!?
「ほう。どうやら本気で犯されたいんだな。オイ!」
オレを囲っていた人影が動き出す。
危ない!逃げろ!
オレは必死で声を出そうとしたが、出ない。
それどころか、体も動かない。
…情けない。
「ほう。どうやら本気でやられたいみたいだね。機嫌が悪いって忠告したからね。」
奴らの口真似をしたかと思ったら、
ドスって、重く鈍い音が数回聞こえた後、静かになった。
。
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