天涯孤独な少年と旅人の少女

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 まあ、そんなこんなで現在、家で夕飯を食べているんだが……  彼女は今とんでもない量の食物を口にかけこんでいる。  ……俺の分を含めて……。  まあ、止めても無駄そうだから無視しよう。  とりあえず聞きたいのは彼女が何なのかっつーことだ。  いや、旅人なのは知っている。知りたいのはその目的とかだ。 「おいお前」  バクバクバク……。 「おい」  ムシャムシャムシャ……。 「お~い」  くっちゃくっちゃくっちゃ……。  ……聞いてない。  ………………、  ………………、  …………すぅ、 「おい!!!!!!」  息をためてためて大声を出した。こうでもしないと聞こえないだろうし。  効果はあったようで、びくっと彼女の体が跳ねる。 「な、なんなんですか? いきなり大声出して」  お前のせいだよ。 「……コホン。  さあお前について少し聞こう、  いきなり来て おもいっきり食って 勝手に泊まって さっさとさよーなら……ってのは癪だからな」 「……はぁ、そうですか」  うん、いかにもめんどくさそうな返事だ。
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