22人が本棚に入れています
本棚に追加
ヴェイはすかさず斬り上げのスキを狙った。
逆手持ちにした左剣でヴェイの横薙ぎを丁寧に受け、斜め下へと流す。
余った右剣で今度は斬り下げ。
「ぬるいな」
ヴェイは斧を左手だけに持ち直し、右手で振り下ろされる俺の腕を抑える。
間髪いれずヴェイの蹴りが入り、俺は大きく吹き飛ばされた。
俺はうまく衝撃を逸らし、後ろに回転しながら受け身をとる。
ヴェイは追い撃ちをかけることなくその場で待機。
ヴェイと俺、お互いに十メートル程の間合いが空いた。
「…………」
「…………」
しばしの沈黙。
互いに向き合い、牽制しつつもスキを探る。
双方動かず、流れる風の音がうるさいぐらい静かな状態。
最初のコメントを投稿しよう!