白い剣

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 しかし、それは出来そうになかった。  常に俺の左側に回り込んでくるヴェイはこの上なくじれったい。  俺にとっての希望であるこの右剣も、使えなければ意味がねぇ……。  やっぱり厄介だ、このヴェイってヤツ……。 「ヴェイ、“カマイタチ”、いつでもいいわ」 「!」  ……速くね? 「イデア、頼む」 「あいあいさー」  少々粗暴な返事のあと、イデアは大きく構える。 「とぉぉおっくだいカマイタチぃぃい!!!!」 「は、はぁ!!!?」  と、特大!? ……ってでかッ!!  もちろん左にはヴェイが待ち構えている。  んで右には特大カマイタチと……。  ……な、なんつー挟み撃ちだ……。 「残念だったな、グレッグとやら……、これで終わりだ!」  迫りくる二つの凶刃。……くそ、ピンチだ。 「……こうなりゃ、覚悟決めて……!」 「……?」  俺は走り出す、……ヴェイの元へ。 「ふむ、わざわざやられにくるとは……」  ヴェイが斧を横へと振り始める。  ……待ってました、その瞬間!!  俺は大きく膝を曲げ――  ――跳んだ。  それにより、ヴェイの横薙ぎをかわす。  そして、ヴェイの肩へと足を乗せ…… 「くらえっ、赤い配管工から学んだ秘技・踏み付け大ジャーンプ!!」
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