白い剣

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 死んだ……いや、死んではいないか……。  ……よかった、……殺生はよくねぇよ、うん。 「さて……、」  俺はイデアをにらむ。 「ヴェイくんが倒れたけど、まだ闘るか?」 「ぅ、うわぁぁぁぁあ!!」  イデアはカマイタチを放ちながら突進してきた。  しかし彼女のそれは途方もないところへ飛んでいくばかりで、俺には掠りもしない。  ……そんなイデアに競り負けることはなく、  あっさりと彼女の刃は溶けて消えた。 「あ、ぁあ……」  力が抜けたかのようにイデアは膝をついたが、やがて拳を固め、俺へと突き出してくる。 「あぁぁあ!!」 「やめろっ!!」  瞬間、イデアが跳ね上がるように驚く。  ……声の主はヴェイだった。 「……激情に身を任せるのは職業柄、あまり良いこととは言えんな」 「…………」  気絶から覚醒すんの速いな……。うげ、あいつ服の下に薄手の鎧着てるよ。  念入りなヤツ……。 「……今日のところは引き上げた方がよさそうだ。俺は動けないし、お前には武器がない」 「…………ちっ、わかったわよ」  イデアはヴェイの言葉を聞いた途端平静を取り戻した。  なんかなー……。
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