軍人と巫女

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「ん、いやいや失礼しました。自己紹介くらい自分でしたいですよねぇ……」 「……ふん。  私の名はアールミスト・レズタ・ナーレム。リーヴルミリアで巫女をしている。  略称は一切受け付けないのでよろしく頼む」  ナイスバデーが威風堂々といった赴きで言い放つ。 「で、軍人さんと巫女さんが俺に何の用だ」 「貴方の身柄を拘束するよう、国から言い渡されました」  ………はい? 「ちなみに罪状は国家反逆だ」  女がそう付け加える。  いやいやいや、心当たりが無いんだけど!! 「アリア……だったか? という重罪人を庇ったからとかなんとか聞いている」  アリアてめぇぇえ! 一体何をしたぁぁあ!!  ………………。 「いや、アリアって誰よ?」  しらばっくれたが……何か? 「む、嘘をつけ。こちらはきちんと連絡を受けているのだ」 「そもそもだな、あんた達は人から又聞きした情報を信じ込んでるだけで、実際に俺を見たわけじゃないだろ?」  女は反論する。 「阿呆が、ここらのリーヴルミリア周辺にグレゴリア・ルーズなどという名前はお前しかいないぞ!?」 「アホなのはあんただ。人の名前を語るぐらい誰にでもできる」  男の方は相変わらずの表情で黙ったままだ、構わず続ける。
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