危険な二人

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定刻の6時半に私は駅に着いた。 急いだわけじゃないけど、勝手に早足になった。 改札を出て、辺りを見回す。 電車が着いたばかりだから人があふれてる。 (あれ?どこにいるのかな? まさか、自分で誘っといてすっぽかし?) 人波が途切れると、壁にもたれてうつむき加減で、携帯を見ている植木くんがいた。 伏し目がちのその横顔は、まつ毛が長く、鼻筋もスーッと高く、口元もキュッとあがっている、前髪がいい感じで顔にかかり、その上長身で・・ まったくもって完璧だった。 私は、ハッとして立ち止まった。 すると、物憂げな感じで顔をあげた彼と眼が合った。 すると、なんともいえない笑顔がはじけた。 私は、今朝の夢を思い出してなんだか恥ずかしくなった。
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