恋する夏の日

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植木くんと手をつないだまま歩き始める。 どんどん、岬のほうへ歩いて行く。 「植木くん、どこへ行くの?」 私は心配になって聞く。 「あぁ、俺んちだ」 「ええっ?な、なんで?」 私は、思わず立ち止まった。 「いけないか?俺、昔取った何とかでさ、いろいろ作ったんだよ。お前さバイト時代、懐かしいだろ?」 植木くんは若干、得意な顔でにっこり笑った。 「へぇ、懐かしいね。お店の食事、評判良かったんだよねぇ」 「そういうこと。一緒に食べようぜ。なっ?いこいこ」 (そうよ、ただそれだけのことじゃない。なんにもあるわけない。大丈夫だよ) 自分にそう言い聞かせて、丘の上の喫茶店に向かってあるきだした。
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