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朱李は、困ったような呆れたような、しかし落ち着いた口調で、両腕を膝について頭を垂れて猛スピードで話していく彼の声を遮った。
その声ではっと肩を震わせた彼は、ばつの悪そうな顔で朱李の方をちらりと見た。
「ご、ごめんなさい……」
「別に謝んなくていいって。言いたいことあるならゆっくり話しな? ちゃんと聞くから。まあ、言いたくない話なら言わなくていいけど。さっきの聞いてなんとなくは分かったし」
なだめるような朱李の声を聞いた彼は、短くため息をついた。
そして、しばらく自分の耳や指をいじって、
「俺の見た目って、今時……じゃない、か」
自分に言い聞かせるような口調で、小さく声を漏らした。
「うん。多分、買った雑誌が流行ものじゃなかったんだと思うよ。それはそれで決まってるし」
「うああ……」
淡々と意見を返す朱李に対し、彼は落胆したように頭を抱えてうつむいた。
「今さら変わるのも怖いし、今のままでいるのも怖いし……うう、明日も休もうかなあ」
そんな彼を、朱李は足を組んでそこで頬杖をつき、やや見下ろすような形で見つめていた。
そして、
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