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学校までの通路は不気味なまでの暗さを漂わせていた。
朝は登校する生徒や通勤者で溢れかえっているが、夜になると嘘のように静かだ。
生暖かい風が俺の肌をくすぐる。同時に生臭い異臭が鼻にツーンと匂った。
その時後ろから誰かの足音が聞こえた。
「…っ!?」
俺はすぐ振り返ったが、そこには誰もいなかった。
恐くなって気付けば俺は早足になっていく。
コツコツコツ
コツコツコツ
なんだ…?俺の歩幅にあわせてついてくる…!
この緊迫感に耐えきれなくなって一気に学校まで全速力で走った。
「っハァ、ハァ…なんなんだよ…」
どうやら振り切ったようだ。額には汗が滲んでいる。それより早く宿題を取りに行かないと。
幸いにも学校の門は開いていた。俺は見回りの先生に見つからないように忍び込み、玄関で靴を履きかえ階段を上る。
一瞬耳鳴りのような音が聞こえたが、気にせず上った。
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