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俺は無我夢中で走った。なぜか廊下がいつもより長いような気がする。
「(…?この教室、さっき通ったはず)」
気のせいだと信じたかった。だが走っても走っても同じ所ばかり走ってるとしか思えない。
走りすぎて疲れ切った俺は倒れこむように廊下の脇に座った。
「 」
何かの声が俺のすぐ隣で聞こえた。向くと先程踊り場にいた女性が体育座りをして何かをブツブツつぶやいている。
「っうわぁぁぁぁあア!!!!!」
なんなんだ一体。
俺は宿題を取りに来ただけなのに。
走ったって教室に着かないとわかっていたが、あのまま動かなかったら、自分がどうにかなってしまいそうだったから必死で逃げた。
するとさっきまで着くことができなかった教室にあっさりと辿り着けた。ほっとして中に入り自分の机から宿題を取り出す。
ふと机の下に目をやるとさっきの女性が俺の顔を覗いていた。
咄嗟に宿題を取り出している手を引っ込めようとしたが、物凄いスピードで手首を掴まれてしまった。
ギリギリギリ…ボキィッッ
「っ!!ぐぁぁぁぁ…!!!!あっ…あぁぁっ……」
人並みではない力で俺の手首は折られた。
あまりの痛さに膝をつく。手首が変な方向へ向いている。女性が俺の方へ地べたを這いながら近づいてきた。
「いやっ…いやだ…くるなぁァァァァ…!!!!!」
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