青いベンチ-プロローグ-

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‥また冬がやって来ました。 ふと駅のホームで立ち止まると、あの青いベンチが瞳に入ります。 私がまだ中学生だった頃。 春が訪れる少し前、初めて君と会話をしました。 あの青いベンチで。 私がまだ高校生だった頃。 春が訪れる少し前、君と離れ離れになってしまいました。 それも、あの青いベンチで。 振り返ったら君の姿がありそうな気がして、仕方がありません。 きっと君は迎えに来てくれるんだって、心のどこかで思っています。 私は君に何回「好き」と言ったのかな? どうせなら、声が枯れてしまうくらいに言いたかった。 君が教えてくれた、あの歌のように――…‥
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