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一方右の通路を歩いたアリスタは30人近い兵士に囲まれていた
「お前はどの国の者だ?」
「それ言っちゃうと怒られちゃうんだよなぁ……。怒られるのやだから言わない」
「………一秒やる。銃で殺されるか全て吐くか選べ」
「は?一秒とか無理じゃ…」
アリスタが言い終わる前に王宮中に銃声が響いた。
「─────ではこれで法律の改正を終わりにします。」
五百人はいるであろう大群に向かって集会の終わりを宣言している女性がいた。彼女はレニムズの女王であるベアトリーチェ・レニムズだ。
新緑色の髪を片側に束ね、おっとりとした印象を見せるまだまだ成人になったばかりの女性である。元々幼いのか、スーツが全くといっていいほど似合わない
議員達が解散し、後片付けをする議員が数人残っただけのがらんとした時間になった頃、一人の老人がベアトリーチェに話しかけた。
「女王閣下。あの兵器が脱走してから今日で丁度10年。なんの手がかりもありません。あの兵器が他国に渡っていると思うと心配で心配で……。」
狼狽える老人に女王は笑顔で静かに諭した
「大丈夫です。捕まえられる人を見つけました。」
「なんと…10年目にしてやっとそのようなお方が!その方は誰なのです?」
老人は目を輝かせながら早口で聞いた。
「我が国の魔導団の団員、ヴァイスとアリスタです。つい先程ミラルタの王宮を2人で崩壊させました。」
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