航空母艦《正規空母》

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また、鳳翔には4門の14㎝砲が搭載されている、この配置は偵察艦としての活動中に敵巡洋艦や駆逐艦を自力で排除するのが目的でもあった。 この後には飛行甲板が狭い為に、艦橋は発着艦の邪魔になるとして大正十三年に撤去されている。 飛行甲板上に艦橋を持たない空母は平甲板型空母(フラッシュデッキ型)と呼ばれた。 この改装により鳳翔の羅針艦橋は飛行甲板下にある格納庫の前部上方に移されている、しかしこの艦橋配置は後に急降下爆撃機に襲われた場合には、対応が遅れたという。 起倒式煙突は昭和十年の第四艦隊事件の際に行われた改装により、復原性の確保のために60㌧に及ぶ起倒装置を取り外し外側に倒した格好で固定され、このスタイルは鳳翔が解体されるまで続いた。 昭和十九年になり鳳翔は新鋭機の「天山」艦上攻撃機、「彗星」艦上爆撃機などの運用するために飛行甲板の延長工事を行われた。 その際に、こうした大型艦上機の運用のために前部エレベーターの一部拡大か行われた。 新造時の飛行甲板は、発艦のさいに飛行機の加速を加えるために艦首部が傾斜しているが、島型艦橋が撤去されたときにフラットな物に改正された。 傾斜飛行甲板は、現代の小型空母のスキージャンプ式の傾斜と違い、下方に向いていた。 昭和五年からの改装では着艦制動索を横索式に改めて、ようやく近代空母の条件を備えた、遮風装置の装備なども行われた。 やがて太平洋戦争を迎えた鳳翔は最初の頃は、主力戦艦部隊と行動していたがミッドウエー作戦では戦艦部隊に同行して九六式艦戦を搭載して艦隊防空と対潜警戒に従事し、搭載偵察機が大破した「飛龍」を発見している、後に瀬戸内海で練習空母として海鷲達の巣になっていた。 終戦を迎えた戦後の鳳翔は南方各地にいる日本軍兵士の復員を行う特別輸送艦として活躍し、昭和二十一年八月から二十二年五月にかけて解体された。 新造時:大正十一年 ●基準排水量:7440㌧●全長全幅:168×18㍍●飛行甲板:168×22㍍●速力:25ノット●航続距離:14ノット/10000海里●主要兵装:14㌢単装砲×4・8㌢単装高角砲×2●艦載機数:常用15機・補用6機●乗員数:550人 飛行甲板延長後 ●全長全幅:180×18㍍●飛行甲板:180×22㍍●主要兵装:13㍉機銃12挺、14㌢砲4門を撤去し25㍉機銃搭載●搭載機数:22機image=278765804.jpg
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