航空母艦《正規空母》

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完成した本艦は、搭載機数と航続距離こそ足りなかったが、35ノットに迫る速力と搭載機の半数を発艦できる充分な広さの飛行甲板や、それまでの空母で実験され、制式化された航空艤装を最初から装備して、ようやく用兵側が満足する空母となった。 真珠湾攻撃には「飛龍」ともに山口多聞少将率いる第二航空戦隊に所属した。 真珠湾攻撃の計画時では航続距離の不足から、攻撃より外されたが、山口少将の抗議により第二航空戦隊も真珠湾攻撃参加することになった。 しかし、艦内の重油タンクの容量不足から、洋上補給とともに艦内にドラム缶や一斗缶を大量に搭載することで解決している。 軍艦は法律により規定外の危険物(燃料)を所定の場所以外に置くことは厳禁だったが、重大作戦の為に軍務局も黙認したという。 また、空のドラム缶等は投棄するにあたり、民間船舶なとに発見されない様に、一つ一つ潰して投棄された。 真珠湾攻撃の帰路、第二航空戦隊は本隊から離れウェーク島攻略作戦を支援し、十七年には第五航空戦隊とラバウル・ポートダーウィンなどを空襲し、四月にはインド洋作戦に参加して英国空母「ハーミス」や重巡洋艦「コーンウォール」「ドーセットシャー」を葬った。 この時の空母部隊の急降下爆撃機は命中率88㌫の驚異的な手腕を見せた。 しかし、六月のミッドウエー海戦では米空母「ヨークタウン」の急降下爆撃機に三発の直撃弾を受け、一瞬に炎上しミッドウエーの海底に沈んだ。 要目 ●基準排水量:15900㌧●公試排水量:15448㌧●全長全幅:227×21㍍●飛行甲板:216×26㍍●速力:34.5ノット●航続距離:18ノット/7680海里●燃料満載量:3400㌧●機関:艦本式タービン4基4軸●出力:15万2千馬力●主要兵装:12.7㎝高角砲12門・25㎜機銃28挺●搭載機:57機(16補用機) 画像は真珠湾攻撃の出発点の択捉島ヒトカップ湾での撮影。image=283147703.jpg
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