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戦局が日に日に悪化していく中「信濃」の建造は進められ、昭和十九年十一月十九日に未成箇所を残したまま「信濃」は海軍に引き渡され竣工した。
呉に回航途中の十一月二十九日、浜名湖南方でアメリカ潜水艦「アーチャーフィッシュ」に雷撃され魚雷四本を受けた。
「信濃」は傾斜しながら航海を続けたが、浸水に耐えきれず、被雷してから八時間の午前十時五十六分に潮岬南方４８㎞の海域で沈没した。
「大和」「武蔵」がともに1０本以上の魚雷を受けても持ちこたえたのに対して、本艦が呆気なく沈んだのは、乗員の訓練が為されてない事、水密試験を省略した為に艦の不具合が多く残っていたためと言われる。
「信濃」は竣工後僅か十日で人知れず沈み、幻の空母と呼ばれる所以である。
要目●基準排水量：６２．０００㌧●公試排水量：６８．０６０㌧●全長全幅：２６６×３８㍍●飛行甲板：２５６×４０㍍●速力：２７ノット●航続距離：1８ノット／1００００海里●燃料満載量：重油９．０００㌧●機関：艦本式タービン４基４軸●出力：1５０．０００馬力●乗員：２４００名●兵装：1２．７㎝連装高角砲×８／２５㎜三連装×３５／同単装×４０●搭載機数：４２（補用５）機
画像は、２５㎜三連装機銃
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