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「今日子は帰っていいから。」
「でも・・るいだけじゃ誤解はとけないよ。」
「大丈夫。なんとかするって。」
「・・わかった。じゃあね。」
パタンッ
「亜朱、今日子はただの友達なんだよ。」
「うん。」
るいの目に嘘はなかった。
けれど。
「うん。分かってる。」
信じてる。
信じてる。
信じてる。
「料理作るよ。今日は誕生日だもんね。」
信じてる。
信じてる。
信じてる。
「亜朱!」
その瞬間、アタシはるいの腕の中にいた。
「なに?」
「泣いてる。」
るいに言われて、アタシは今自分が泣いていることに気付いた。
「誕生日なのに・・・ごめんなさい。」
「えっ?」
「泣くつもりなんか、なかったのに。」
そう言って、見上げたるいの顔はすごく悲しそうだった。
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