始まりは突然?

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いつもあの人を見ている。 この空間が好き。 カラン。 「いらっしゃいませ!」 ここはとある喫茶店。 「チーズケーキとアイスティー下さい。」 5時20分。彼はいつも同じ時間にやってきて、同じモノを頼んだ。 アタシは前から彼が好きで。でも、話しかけることができなかった。 「かしこまりました!」 「亜朱!裏よろしくね。」 「はいっ。」 元気に返事をして、前を向くと彼が不思議な顔をしていた。 「・・・あっ・・しゅ?」 「はい。変ですよね?アタシの名前、岩井 亜朱(イワイアッシユ)って言うんです。」 「へぇ。おもしろいね。いい名前じゃん。亜朱。」 「あっありがとうございます。」 彼と話せたことはもちろんだけど、名前を呼ばれたことがすごくうれしかった。 「俺、るい。川本 るい(カワモトルイ)」 「るい・・さん?」 彼は笑いながら席についた。 これが彼との恋の始まり。
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