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それからも彼は変わらず、アタシがバイトの日にやってきて、同じ時間に同じモノを頼んだ。
でも、前と違うのは空いてるときに会話をするようになったことだ。
彼はアタシと同じ17歳で、近くの高校に通ってること。1人暮らしをしてること。この店のチーズケーキが子供の頃から大好きなことなど他愛もない話をした。
そんな中、アタシの恋心はやっぱり少しずつ大きくなっていった。
ある日。
バイトを終えて家に帰るとお母さんとお父さんが難しい顔をしていた。
「ただいま。」
「おかえり。あのね、亜朱話があるんだけど。」
「なに?」
「・・お父さんアメリカに転勤になったんだ。それで、お母さんと亜朱にも一緒に来て欲しいんだ。」
「お母さんはついていこうと思うの。亜朱はどうする?」
転勤?アメリカ?
アタシの頭は急に入ってきた情報に対処できずにいた。
そんな中で浮かんだのはるいさんの顔だった。
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