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19XX年2月…。
真冬の雪深い…。
群馬の山あいの町…。
水と緑と光の温泉街…。
…の外れにひっそりと建つ蕎麦屋に…。
花のような可愛い女の子が生まれた。
とても可愛かったので、『華子(ハナコ)』と名付けられた…。
…と言えば、聞こえはいいが、蕎麦屋の娘だったせいか、父親の鶴の一声で、打ち粉=はな粉=ハナコ…と名付けられた。
母親や父親や3つ年上の兄や近所の人達やお店のお客さんに、大層可愛がられ、華子はスクスクと成長していったそうな…。
「可愛い」と言われるので、その気になり…。
家族が食事中に、テレビを見ていると、テレビの前でお尻を振ってダンスをしたり…。
近所の家の犬を、自分の家来のように扱い、自ら子守をさせたり…。
カメラを向けられると、まるでモデルになったかのように、ポーズを決めたり…。
親が仕事をしながら、自分の居るベビーベッドの近くを通るたびに、「かまえ!」と言わんばかりに、泣きわめいたり…。
親がベビーベッドから離れて、華子の目の届かないところへ行くと、平然と泣き止んだりして…。
わがままに、言いたい放題し放題に、育って行った。
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