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物心がついた頃…。
華子は兄と同じ保育園に通いたいと言い出した。
華子にしてみれば、たくさんの人達に可愛いと言われながらも、変わらない顔触れ、変わらない毎日に、少し退屈し始めていた。
華子3歳…。
兄の送り迎えで、保育園に行く事が多かった華子は、同じくらいの年齢の子供がたくさんいるのを目の当たりにして、保育園に興味を持ったのだった。
「保育園は、華子には、まだ早いわよ?」
おむつを完全に卒業していない華子に、母親は優しく説明した。
華子は、むくれて、いじけて、怒った。
愛らしいわがままだ。
「ほいくえん、いきたいッ!」
「駄目だって言ってるでしょ?まだ、華子には早いの!」
母親は、少し声を荒げて華子に言った。
「いきたい!いきたい!いきたいッ!」
華子も譲らなかった。
華子にとっては、保育園には、何か素晴らしい物があるのではないかと思えてならなかった。
「ちゃんと、トイレを教えられるようになったらね?」
母親の押しに負けて、結局華子は引き下がった…。
…ように見せたが…。
兄の送り迎えが毎日続く中、華子は大胆にも強行手段に出る事にした。
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