最後は笑顔で

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思えば、今までの全ては夢だったのではと疑いたくなる程色々なものが詰まった数ヶ月だった。 知られざる自分の過去、憧れていた者の死、残された時間を数える毎日。 誰にも言えなくて辛かった、いっその事自分で自分を終わらせようと考えたことも何度もあった。 ――けど、今もこうして立っている。 生きているのではなく生かされている、多くの人達の優しさによって。 昔からよく優しいねと言われていた。 だがそれは、周りの人達が優しいから自分もそうなれたのだ。 決して独りでにそうなったわけではない、名前が優だからでもない。 いつも誰かが優しさをくれたから今の自分がいるのだ。 藤堂さんは僕ともっと早く出会っていればと言っていた。 ――今でも優しいと思うけど……もし僕なんかの優しさで誰かが優しくなれるなら。 ヒュウッと冷たい風が首筋を通った。 外に目を向けると、日の光を反射してキラキラと輝いている粉雪が宙を舞っていた。 「……よしっ!」 決めた。たった今、夢を決めた。 いや、もう夢なんてあやふやなものじゃない。目標だ。 ――警察官。自分の記憶には残っていない、だけど多くの人達の心には未だ生き続けている父のような警察官になる。 今から目指すのは遅いかもしれないけど、周りには心強い人達が沢山いる。 求めてくれと、頼ってくれと言ってくれた人がいる。 僕は一人じゃない……だから歩いてい、け――
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