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上杉の顔を見たせいか激しく脈打っていた心臓が落ちついてきた。
いや、落ちついたというか一気に熱が冷めたと言った方がいいか。
いつも良い所で乱入してくるこの男とは、いつか決着をつけなければと常日頃思っていた。
……だが、今だけは来てくれたのが嬉しかった。
邪魔されたのは本当に、一発殴らなきゃ気がすまないくらい腹が立っている。
その後でシュークリームに使う予定だった唐辛子を傷口に塗ったくりたいくらいに。
……けど、いつもの雰囲気に戻してくれた事だけには感謝してやっても良いかなと思う。
こっちがいつまでも気を張っていたんじゃ、優も疲れるだろうし。
よし、ここは一発その感謝の意と敬意を込めて痛みが無いように――
「つぐみさんっ!!!!」
何かが弾けた様な乾いた音が、空に響いた――
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